コラム

薬が呑み込みづらい、滑舌が悪いそんな高齢者へ口腔機能低下症の説明と改善

千葉県四街道市で訪問歯科を中心に行っている旭ヶ丘第一歯科クリニックです。

さて、みなさんは「口腔機能低下症」という言葉をという言葉をご存知でしょうか?
この病気は高齢者の方に多く健康な人にとっては当たり前の食事をすることが困難になってしまうこともあります。咬む力が必要な野菜やお肉を食べることを避けるので栄養不足になり健康に影響を及ぼします。特に高齢の方は要介護状態に繋がる事も珍しくないので注意が必要です。

口腔機能が低下してくると、以下の症状が現れ始めます。

■1.口腔機能低下症とは

(口腔衛生状態不良)口が不潔になる
②(口腔乾燥)口が乾燥する
③(咬合力低下)咬合力が弱まり、食べ物が口に残る
④(口唇運動機能低下)舌や唇の動きが鈍くなり、滑舌が悪くなる
⑤(低舌圧)薬の飲み込みが困難になる
⑥(咀嚼機能低下)硬い食物の咀嚼が難しくなる
⑦(嚥下機能低下)食事中にむせることが増える

これらのうち3つ以上の症状がある場合、口腔機能低下症の診断が下され、歯科治療やトレーニングが推奨されます。治療は保険を利用することが可能です。

■2.症状改善のトレーニング

①口腔衛生状態不良

歯間ブラシやフロスを適切に使用して歯磨きを行い、舌の汚れや義歯の汚れを丁寧に清掃し、うがいでお口のケアを心掛けることが重要です。定期的に歯科医で口腔内のチェックを受け、適切なブラッシング指導を受けて、しっかりとお口のケアを続ける必要があります。

②口腔乾燥

口内を潤すために大切な唾液。顔の周りをマッサージすることで唾液の分泌を促す効果があります。
だ液腺は口腔内に3ヶ所あります。(耳下腺・顎下腺・舌下線)
マッサージは力を入れすぎずに指で軽く圧迫しながらやさしく行います。それぞれ5回~10回程繰り返すと徐々に唾液が出てきます。

③咬合力低下

義歯や歯周病などの治療を受け噛み合わせを治して咬合力低下を防ぎましょう。また、噛み応えのあるスルメなどを食べ咬合力低下の改善や予防をするのがおすすめです。

④舌口唇運動機能低下

口を動かすことを意識しながら早口言葉を大きな声で練習したり、会話をして口を動かす機会を作ることで機能低下を予防しましょう。

低舌圧

専用の器具を使用して舌の筋力を鍛える方法もありますが、身近にあるもので簡単に訓練することもできます。
今回はスプーンを利用した訓練方法をご紹介します。

スプーンを舌に押し当てそれに抵抗するように舌に力を入れます。これを繰り返します。
まずは行いやすい方向から始めてみて、慣れてきたら上下・前後・左右方向など少しずつ訓練を行う方向増やしていきましょう。

⑥咀嚼機能低下

咀嚼の訓練ではガムやするめを使い噛むために必要な筋力を鍛えます。
ガムを噛むことで噛むために必要な筋肉をつけることができます。
1日2回(朝と夜)、2分間はリズムを決めて、3分間は自由に、計5分間ガムを噛みます。

①ガムを噛むときは正しい姿勢で唇を閉じて噛みます。
②ガムは左右両側の歯で均等になるように噛みます。

⑦嚥下機能低下

嚥下体操をすると良いタイミングは食前です。食べる前にお口を動かすことで唾液が良く出て食べ物を飲み込みやすくなります。
このような手順で行います。

①深呼吸を繰り返します
②首を回し左右に倒します
③肩の上げ下げをします
④両手を上げて伸びをします
⑤頬を膨らませたりしぼめたりを2~3回ほど繰り返します
⑥舌で左右の口角に触れる動作を2~3回ほど繰り返します
⑦息を強く吸って止め、3秒後に強く吐きます
⑧パパパ、ララララ、カカカカとしっかりとゆっくり発音します
⑨深呼吸を繰り返します
無理をせず毎食前に1日3回挑戦してみましょう。

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まとめ

この症状を放置すると、摂食や嚥下に関する障害など、さらに重篤な問題が引き起こされる恐れがあります。全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性が高いのて注意してください。
そのため、日々の口腔ケアを欠かさず行い、異常を感じたら迅速に歯科医へご相談ください。

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