コラム

高齢者の口腔ケア:正しい手順とその重要性

高齢者の口腔ケアは、健康維持にとって非常に重要です。年齢を重ねると歯や口腔の問題が増えるため、日々の口腔ケアが欠かせません。歯が有る無しに関わらず口腔ケアを怠ると様々な疾患の原因になるので適切な口腔ケアはとても重要です。

■1.高齢者の口腔ケアの重要性

1-1.健康維持とQOLの向上

口腔の健康は、身体全体の健康に直結します。正しい手順で行う口腔ケアは、口腔内の細菌の増加を抑え、全身疾患のリスクを減らします。また、健康な歯や口腔環境を保つことで食事を楽しむことができ、生活の質(QOL)を高めます。

1-2. 口腔疾患の予防

適切な口腔ケアは、むし歯や歯周病などの口腔疾患を予防します。口腔ケアを怠るとこれらの疾患にかかりやすくなります。

1-3. 食事をしっかり摂ることや孤立の防止

口腔ケアは、高齢者がしっかりと食事を摂り、コミュニケーションを取る能力を保つのにも役立ちます。歯の健康が悪化すると、食事の咀嚼や発話が困難になり、栄養状態の悪化や孤立を招きます。

■2.高齢者の口腔ケア手順

「ケア前に用意するもの」

・口腔ケア用スポンジブラシ
・歯ブラシ
・タオル
・プラスチック手袋
・ガーゼ
・洗面器など
・コップ

2-1.うがいで口腔内の汚れを落とす

うがいをおこない口内の汚れを落としましょう。うがいが難しい場合は唇や口腔内を水分で湿らせます。濡らしたソフトガーゼを指に巻いて使用したり専用スポンジブラシを使用しましょう。

2-2.ブラッシング

歯ブラシを使い歯を磨きます。義歯の場合は取り外し義歯ブラシなどを使って流水で綺麗に磨きます。歯磨き粉を使うと研磨剤で義歯が傷ついてしまうので使用しないようにしましょう。義歯との境の部分、歯の裏側をしっかりと磨きます。洗面器の上でおこなうと入れ歯を排水溝に落とさずに洗浄できるのでおすすめです。

2-3.口腔内のマッサージ

口腔内の粘膜の汚れを口腔ケア専用のウェットティッシュで拭き取ります。
指を使って歯茎と口の粘膜の境目をゆっくりと押し撫でていきます。口腔内は傷が付きやすいですので、 優しくすること、擦らないことがポイントです。

2-4.仕上げのうがい

マッサージ後はうがいをして残っている汚れをきれいにします。ウェットティッシュを使えば、うがいができない方も汚れを拭き取りきれいにすることができます。口腔ケア終了後は、唇や口の周り・口腔内の乾燥を防止するために、必要に応じて保湿薬を使用してください。

まとめ

高齢者の口腔ケアは、健康維持やQOLの向上、口腔疾患の予防、そして食事や発話の支障防止のために重要です。一方、ケアの手順としては、適切な歯のブラッシング、歯間ブラシやフロスの使用、そして口腔内の清潔保持が基本です。これらを心がけることで、高齢期でも健康な口腔を保つことが可能になります。

当院では、通院が難しい方を対象にした訪問歯科を中心に診療しています。 口腔内を清潔に保つには病気の予防にとても大切です。訪問歯科をご希望の方は当院までお気軽にお問合せください。
電話:043-432-4339

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